8月

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「ねぇ、もう一度聞かせてよ」 「……はぁ、もうなんなのお前」 「なんなのはこっちのセリフです。中学の時も呼び出しておいて勝手に帰るし」 「あれは、お前が俺の友達と仲良く話してるのにむかついて!」 「え、そうだったの!?」 そうだったのかと、あの時の彼の行動の意味を大人になってやっと知ることができた。でも、じゃあ、あの時の彼は私になにを伝えようとしていたのか。 私の期待通りならいい。昔も、今も。 「ねぇ、じゃあどうして今日私のこと花火大会に誘ったの?」 じっと視線を逸らさず見つめて問う。 「なにそれ、分かってるのに聞いてるの?分かってなくて、聞いてるの?」 「分かってるけど、本当に合ってるか確かめたいから聞いてるの」 「はぁ」とため息を吐いた彼は、コツンと私のおでこに自分のそれをぶつけた。あまりに彼の体温が熱くてびっくりする。 と、遠くでヒューッという音が響いた。
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