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「ピザッ!?」
その箱は、デリバリーピザの物だった。
っていうか、待って!
学校の近くに、ピザ屋さんなんてないよ!
しかも、1枚買えばもう1枚無料のこのピザ屋さんは、車でも結構かかる距離にあったはず!
だから、お昼になる20分前に居なくなっていたのか!
えっ? でも、20分で行って帰ってこられるような距離じゃないよね?
「そうだよ。八坂さんも食べるか?」
落合君がピザをオススメしてくれたけど、いやこんな教室で……。
「バカ。女子がこんな脂っこい物、食べるわけ無いだろ」
「ほらみろ」と、棗くんが指さす先には、食べるに食べられなかった私のお弁当がある。
「あんな、オモチャみたいなお弁当で足りるんだぞ」
確かに、私のお弁当は小さいかもしれないけど、言い方!
言い方ってのがあるでしょ!!
なに、オモチャみたいなお弁当って!
「うっ、うん。私のことは気にしないで、みんなで食べて」
精一杯の笑顔を作って、ピザを辞退した。少し食べたい気持ちはあったけど、ここで食べたら日々の努力が無駄になってしまう……。
パクパク、とお母さんに作って貰ったお弁当を食べている後ろで、男子達は「ウメー!」「熱々、すげぇ!」と叫ぶように感想を述べた。
チーズの匂いが! 焼けた生地の匂いが! サラミの匂いが! 鼻孔をくすぐる!
もうヤダ! 教室でピザパとか意味分からない!
男子って、こんな意味不明な生き物だったの!?
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