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私は5歳の時、周りに何も無い原っぱに放り出されていた。気が付いた時には仰向けになっていて目の前には一面の真っ青な空が広がっていた。
目に映るのは青と緑のコントラスト。周りを見渡しても何もないがらんどうな場所にたったひとり、私はいた。
そんな私を保護したのがおーちゃんだった。
それなりの歳になった頃に訊かされた私の身の上話はとても辛いものだった。
シングルマザーだった実の母親からの度重なる虐待。
若くして母親になった脆弱な精神は心身を蝕み、虐待することにも疲れ果ててとうとう私を原っぱに捨てた。
そんな母親から切り離され母親が正常になるまでの間おーちゃんが私の養育里親になった。
おーちゃんが里親になった経緯のひとつに私が始終おーちゃんから離れなかったということがあったらしい。
母親から受けた虐待のせいで心が壊れかかっていた私が初めてすがったのが拾ってくれたおーちゃんだった。
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