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永遠に奏でるオルゴール
『私が出した結論は、癒えることのない痛みを抱えたこの星に最後まで寄り添うことでした。
永久よりも永遠を望むように変わったのはきっと諦めではなく、私に感情というものが芽生えたからなのでしょうね。
そうとはいえまだまだ気が遠くなるほどの月日が残されていますので、どうかその時まで私の役割を全うできますように、今日もどこかで見守っていてくださいね』
いつの日からか、月を見て祈るようになっていました。
最終戦争の戦禍により無惨に欠け軌道を失った透明な月は、遥かな昔、人々が暮らしていた時代よりも此方で、空に浮かぶ巨大な島として天の一部分を覆っています。
みどりの繁る丘で上昇した海岸線の先を眺めながら、蓄積された記憶の輪を紐解き、瞳を閉じて、何万年も捧げてきた祈りを繰り返して踵を返します。
悲しみの歴史は深い海の底へと沈んでいき。
かつて天空都市と呼ばれたエテメンアンキにも、長い年月をかけて海岸線が迫っていました。あそこもいずれは海の底へと沈むのでしょう。私の大切な、大切な思い出たちと共に。
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