巣の中のふたり。

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「来いよ、勝己」  薄い下唇を白くて形の良い指先でゆっくりとなぞって見せる。  ちらりと覗く小さな舌と白い歯。  濡れた吐息がこぼれた。  この男の誘いにあらがえる人はいるのだろうか。  眉をひそめ、その唇を追う。 「これ以上煽るな、憲・・・」  ここは蜜の家。  甘い香りと肉に溺れた、二匹の獣が絡み合う。
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