先生

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先生

 自慢じゃないが俺はモテる。  小学生の頃からバレンタインは、チョコを山ほどもらったし、違う学年、違うクラスの見たこともない女子たちも俺にチョコを渡してきた。  あの頃は、自覚していなかったが十七になった俺は、なるほど鏡で見れば整った顔をしているし、小顔で背だって高い方だ。  姉が、なんとかいう俳優やモデルの登竜門だというコンテストに応募したらと言うが、たしかに一次審査くらいは通過するだろうと自分でも思う。  でも、俺によってくる女たちは、なんていうか……、うまく言えないが本気で好きになれそうなのがいなかった。  今、俺が付き合っている相手は、八個も年上の英語の先生だ。  出会いは、去年。  彼女が教育実習でうちのクラスにきた時だ。  彼女の目を見て俺はすぐにわかった。  コイツ、気があるな、と。  これまでも同じように眩しげに俺を見てくる女がたくさんいたからだ。そのうちの何人かは、俺に気持ちを伝えてきた。  でも、まさか教師が言い寄ってくるとかないだろうと俺は思っていた。せいぜい、えこひいきされるぐらいだろう。ところが、彼女は、教育実習最終日に俺に連絡先をよこしてくるじゃないの。     
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