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さらりとした髪に綺麗な顔立ちな男の子だ
「ん?なに」
丸刈りでニキビ面な滝川少年とは正反対な彼が振り返ると
「お化け屋敷て興味ない?」
その言葉に亮太が怪訝な顔をみせると
「この町外れにある何年も無人な洋館なんだけど、どうも何か出そうでね…僕らで探検してみないかい?」
少年はニヤリと含み笑いを浮かべる
「加賀美て六年なってもお化けとか信じるのか?…悪いが興味ないな」
亮太は鼻で笑ったあと彼を素通りすると教室から出ようとした
加賀美聡史は 頭が良く女子にも人気で正直亮太はいけすかないヤツと思っていた
いくら遊ぶ友達がいなくてもコイツとはなあ
そんな気持ちだった。
「あー怖いんだろ」
教室のドアから今度はショートカットの女の子がニッコリ顔を出してきた
田中美保だ。クラスでミーコと呼ばれてる女子で 密かに滝川が思いをよせてる子である
「ミーコも行くの?」
「まあね」
「ねえ滝川くん 絶対楽しいて 夏休みの…いやこの学校最後の思い出にしようよ」
後ろからささやく加賀美の言葉に滝川は 仕方ないようにうなずいた。
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