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僕は青い鳥を飼っている。
あなたも飼っている。
みんな誰でも飼っている。
この子がいい子でさ。僕の言う事を素直に聞いてくれるんだ。
「あいつにさ、『人生辞めちゃえば』って言ってきて」
そう言うと、不満な顔を一つせず、あいつに手紙を届けてくれる。
届けられたあいつも、ペットの青い鳥を飛ばして、僕に返信の書かれた手紙を届ける。
あいつからの手紙には、二文字で僕をディスる文字が書かれていた。
だから、こう送り返すんだ。
「文字も作れないのか。人間辞めれば」ってね。
その手紙も嫌な顔一つせずに、青い鳥は届けてくれる。
青い鳥には感情がないんだ。だから、何でもできる。
また違う誰かの青い鳥が「はい、論破ー」という手紙を持って、僕の耳をかすめて飛んでいった。
黙々と澄み渡る青空を見ていると、突然、あいつが家に来た。
僕の青い鳥を追ってきたようだ。
ぼこぼこぼこ。
こんな時、青い鳥は助けてくれない。
だって、青い鳥は心がないから。
今日も青い鳥は世界中で飛び交っている。
さあ、空を見て。
青くないかい?
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