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「ごめんね、もうちょいで終わるから。で、その神社の神主に除霊を頼んだんだよ。そしたらさ」
「そしたら?」
「あなたに取り憑いてる何かがすごく泣いてるので、これ以上はやりたくありません。ってやめちゃったんだよ」
「えーなにそれ」
「で、仕方なく帰ったその夜は静かだったんだよ。
だけどさ、寝てる時に」
「寝てる時にいじわるされたの?」
「違うんだ。その……」
「そんな顔するなら飛ばしても構わないんだよ」
「いや……大丈夫だ。それでな寝てる時に俺は幻聴と幻覚で死にかけたんだ」
「死にかけたの!なんでそう言う時に私を頼ってくれなかったの!それとも私じゃ……」
「あっ!ごめんよ!なんか呼ぶのも頭に無かったんだよ!それでさ」
「……」
「窓から飛び降りようとしたわけ」
「そこまで……」
「それで窓から落ちた瞬間に」
「うんうん」
「誰かに手を掴まれたんだ」
「まさか?」
「そのまさかだったんだ。俺の手を掴んだのは青い女性だった。だけど分かったんだ、この女性はきっとあの魂だなと。しかし、部屋に戻った時には魂は居なかった。ただ、虫の声だけがしてた」
「いいはなしだね~でも魂はどこにいっちゃったんかなあ?」
「わかんねえ。でももしかしたらなっちまったねかもな……怪談話の一片って奴にさ」
「そっか……うっ!」
「だ、大丈夫か!?コーヒー苦手だったか!?」
「頭が……うう……頭が痛いよ……」
「やばい!すいません!会計これで!お釣りは大丈夫です!」
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