「ごめんね」

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それを見て、慌ててベッドの上から飛び降り、勢いよく扉を開ければ扉の前。廊下の壁に背中を預け小さな白と黒の紙袋を持ったもみじくんが立っていた。 「泣かないでよ」 「……もみ、じ、くん」 「お誕生日おめでとう」 「……ごめんな、さい」 「あんずが前に欲しいって言ってた香水誕生日プレゼントで買いに行ったけど、よく分からないからお店の人にいろいろ匂い嗅がせてもらって」 「……」 「こっそり持って帰ってきて、バースデーカード書こうと思ってたらあんずが起きててびっくりして。香水の袋がバレないように必死になり過ぎて冷たい態度になっちゃって」 「ごめん、なさい、もみじくん……ごめんなさい」 「本人は自分の誕生日忘れてるっぽいし、浮気してるって勘違いされるし、嫌いとか言われるし」 「ごめんね…もみじ、く」 ふわりと、腕を引かれてぎゅっともみじくんに抱きしめられた。ローズの香りに包まれて「もみじくん、大好き、大好き」と、もみじくんの胸に顔を埋めて何度も何度も呟けば、もみじくんの少し掠れた甘い声が私の耳元で溶けた。 「僕のほうこそ上手くできなくて、」 image=512163103.jpg
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