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あれ?まだお昼過ぎですよ?
じっと、もみじくんを見つめていれば「夜ごはんはなに?」なんて普通に会話を始めるものだからもうよく分からない。
「カルボナーラにしようかなと思ってます」
「僕、カルボナーラ好きですよ」
「知ってます」
「さすがですね。あんずの作るカルボナーラ大好きです」
「ありがとうございます」
私が言えばもみじくんはふわりと笑った。本当にもみじくんが帰ってきた。
「あんず」
「はい」
「買い物に行く前に、ちょっとだけ充電させてください」
「え?」
するりともみじくんに手首を掴まれた私は一瞬にして彼の胸にダイブした。
「もみじくん?」
「なに?」
「少し、苦しいです」
ぎゅっと抱きしめられた体が苦しくて、そう言えばもみじくんはさらにぎゅっと腕に力を込める。
あれ、伝わらなかったのかな……?
このまま私はもみじくんに抱き潰されるのではないだろうか。
そう思ったけれど、
「ちょっとだけ我慢してください」
「……」
「3日間、あんず不足で死にそうでした」
「……」
「しかも、あんずがあんなLINE送ってくるのが悪いです」
「……すみません」
「帰るの夜だったけど、全力で仕事切り上げて帰ってきたので、とりあえず褒めてくれませんか?」
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