「やっぱり一緒がいいです」

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追加で入ってきた書類の山を見て今日は帰れないなと6時ごろにもみじくんにメッセージを送った。 やっとの思いで片付け、壁にかかった時計を見れば10時を知らせている。 あれ以降、もみじくんからの返信はない。 スマホを手にし電話帳からもみじくんの名前を探す。 もう寝てるかな。なんて先に寝てと言ったのは自分なのに返ってこないメッセージがなんだか寂しくて、声を聞きたいなんて思ってしまう。 「……帰ろう」 ぽつりと溢して、電話をかけることなく鞄の中にスマホをしまった。寝ていたら迷惑をかけてしまうし、帰ったらたとえ寝ていてももみじくんはいるのだから。 誰もいないオフィスを後にし、電車に揺られる。ご飯はどうしようか。なんてぼんやり窓越しに過ぎていく景色を見ながら考えてみる。けれどとくに食べたいものもない。 家に帰って適当に冷蔵庫の中にあるもので済まそう。自分だけになるといつもこうだ。適当になる。 電車を降りていつもの道を進んで、ようやく着いた家の扉にもみじくんとお揃いの鍵を差し込む。 玄関にはもみじくんの靴があるけれど部屋は真っ暗。 やっぱり寝ているようだ。静かに、といつもより慎重に扉を閉じる。 暗い廊下を進んでリビングの電気をつけた。
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