喧騒の後

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 同時刻、流川(るせん)本家邸新館。  本家の側近、水守(すもり)家当主の水守御玲(すもりみれい)は、背中から虚脱感と哀愁を大量に漂わせる当主を、ぼうっと見つめていた。  謎の覆面集団に強襲されてから、早くも一週間。  関係者である誰もが、早急に片付けねばならない事後処理に忙殺されていたのは言うまでもない。流川(るせん)本家派元当主、流川澄会(るせんすみえ)の死である。  謎の覆面集団が撤退して(のち)澄男(すみお)達の身柄は、分家派の関係者に確保され、本家邸に護送された。  その後、本家邸のロックダウンを解除する作業と、澄会(すみえ)の死体を分家邸で検死解剖する為、遺体を分家邸に送る転移輸送作業。  侵入者の身柄を突き止めるに必要な物的証拠を収集する為、分家の関係者が隈なく本家邸を調査する作業。  澄男(すみお)等から事情聴取し、状況証拠を精査する作業など。  様々な作業をこなしているうちに、全ての作業が終わったのは一週間後の今日。朝日が昇り始めた夜明け頃であった。
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