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「アアアアアアアアアアアア!! 糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞がぁ!!」
髪の毛を無造作に掻き毟ってベッドから跳ね起きるや否や、目の前に遭った机を全力で蹴りつけた。
澪華のことを考えれば考えるほど、頭の中がぐっちゃぐちゃになっていく。もう何が何だか分からないくらいぐっちゃぐちゃに。
あああああああ、と大声で叫びながら部屋にあるものを蹴る殴る投げる壊すを繰り返す。
窓ガラスを叩き割る音で、漸く自分自身が目覚めた。
過呼吸のせいか、視界がぐらぐらと揺れて気持ち悪い。平衡感覚を失い、そのまま床へ、ぐったりと倒れこむ。
気がつけば机や本棚、武器棚などからクローゼットに至るまでことごとくぶっ壊れ、壁には幾つか穴が開いていた。
たった数十秒だったとはいえ、記憶がおぼろげだ。壁に穴を開けた覚えが無い。
壊したような壊してないような、あやふやな感覚だけ残ってる。
平衡感覚が戻ってきた。脈拍が徐々に落ち着いていく。上半身の寝巻きを持って立ち上がり、俺は盛大に舌を打ちながら、廊下を荒々しく歩く。
寝て何もかも忘れようと思ったが予想外にしてやられた。毎度毎度強烈な悪夢に嫌がらせされるのかと思うと胸糞悪い。
ほんの少し前まで昼寝は食事や戦いの次に好きだったのに、今日の悪夢のせいでもう二度としたくなくなった。
学校に行かされる前まで使っていた元母親の道場で、素振りや新しい技を編み出している方が、まだマシだったかもしれない。
怒りに身を任せて階段を強く踏みしめながら、暫く昼寝は絶対しないと誓う。
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