7人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ふざけやがって!!」
居間中に、全力の怒号が響き渡った。
俺はテーブルに渾身の蹴りをくらわす。轟音を鳴り、テーブルは前面へのけぞった。
置いてあった灰皿は、テーブルが蹴り飛ばされた勢いで砕け散り、テレビの電源はぷつんと消える。
だがそんなことはどうでもよかった。今まで抑えてた何かが、一気にはじけ飛んだのだから。
「畜生が!! 昼寝したら糞みてぇな夢見るわ、テレビで気ぃ紛らわそうと思ったらおんなじニュースしかやってねぇわ!! なに、嫌がらせ? 俺に対する嫌がらせか!!」
「ど、どうかされましたか澄男さま!?」
「寝ても起きてもこんなんばっか!! 俺が、俺が何したってんだ、え!!」
「澄男さま落ち着いてください、一体何が」
「落ち着け? 落ち着いてられるかクソッタレ!! はぁぁぁぁぁ……」
居間を飛び出し、二階に駆け寄って私室に走りこむ。
壊れたクローゼットの扉を破壊し、衣服一式を取り出すと武器棚から剣を手に取り、引き戸を閉めぬまま、階段を走って降りる。
何が何だか分からずたじろぐ御玲を無視し、二階から持ってきた衣服に荒々しく着替えた。
最初のコメントを投稿しよう!