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「だからこそぉ!! ファイトッ!! いっっっっっっぱぁぁぁぁぁぁぁぁつ!!」
「うるせぇ!! いつまでトイレで気張ってんだ!!」
「早く変われよボクおしっこ漏れるぅぅぅぅ!」
「あぁん? 俺は朝一番の便意を催してんだよ!! 漏れるなら漏らせ!!」
「ボクも朝一番の尿意を催してんだよ!!」
「お前トイレ占領すんなって何度言えばわかるんだ!! このスカ○ロ野郎が!!」
「スカ○ロじゃねえ、ナージだ!!」
六畳一間程度の部屋で騒ぎ立てる二匹の生物が、「お手洗い」と札がついたドアの前で立ち往生している。
全身黄緑色の身体をした蛙のような生き物と、その横で股間を抑え、小刻みに飛び跳ねる中年の姿をした妖精。
背は非常に低く、百三十センチあるかどうかの背丈しかない。一言で言い表すなら、異形の小人。
どこか異境のファンタジーを感じさせる二人であったが、己から醸し出されるそのファンタジック感を、己の言の葉で粉々に粉砕していた。
「たくオメェら俺のささやかな朝の排泄と妄想談義にクソ塗りやがって、覚えてろよ」
「なげぇんだよおまえのトイレは!!」
「仕方ねえだろ全部出し切らなきゃならねぇんだから!!」
「一体いくつウンコ出してんだよ!! 朝から出しすぎなんだよ昼まで寝かせとけ!!」
「は? それだと鮮度が落ちるだろお前馬鹿か」
「排泄物に鮮度とかあんの?」
「あるわ!! 小便も長時間溜めとくと黄色くなるのと同じように大便も溜めとくと硬くなって団子みてぇになるだろうが!!」
「どっちでも良いけど早く変わってぇッ。 ボクのち○こが小便したいって泣いて直訴してるぅ!! このままじゃ尿意裁判に敗訴しちゃうよぉ!!」
「んな裁判とっとと負けちまえ!! おめぇの事後が残った小便より俺の優雅で華麗な大便が優先的に下水管通んだよ!!」
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