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モイが待ち続けて2年が経ち、ついにその日が来ました。
その日は、お兄さんがいつも以上に優しくてたくさん声をかけてくれました。
モイは、いつもより人一倍優しいお兄さんを見て、もしかしたら今日なのかな?と思いました。
その予想は当たっていました。
お兄さんは、モイの頭を撫で、繋がれていた紐を外し、モイを柵の外に出しました。
モイは、これからお母さんに会えると思い嬉しくてたまりませんでした。
お兄さんは、優しい口調で誘導して、モイをトラックの中に入れました。
扉が閉まり、冷たい鉄の壁に肌が当たり、ひやっとしました。
ふと、外を見るとお兄さんがなぜか悲しい目をしていました。モイは首をかしげました。
そして、モイを乗せたトラックは屠殺場に向かっていきました。
その事を知らないモイは、
「今日は世界で一番いい日だよ」
と声を漏らしました。
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