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あいさつの手紙
5月24日。
僕は見慣れた夜空を眺めて思い出す。
君が僕に残してくれたもの、与えてくれたもの、見せてくれたもの、感じさせてくれたもの。
どれも僕にとっては忘れられない思い出だ。
どれほどの感情を君は与えてくれただろうか?
いつだって君は冷たかったよね。
甘えてくれたことも、数えるくらいしかなくてさ...いつも好きになれなかったよ。
なのに、なのに僕は君を愛してたみたい。
何故なのかな。
そんな君だったけど忘れることはできないよ。
なぜなら君は僕のかけがえのない友達だから。
いつだって僕は君を心から消し去ったりしない。
そうだ、あの夜のこと覚えてる?
君はすまし顔で僕の隣でいきなり寝息を立て始めたし...。
ほんとびっくりしたよね。
だけどなんか、ほっ、と暖かい気持ちになれたんだ。
それから少したった雨の日。
雨の日はあの丘に行かないはずなのに僕は何故か行ったんだよね。
土砂降りなのに星空も見えない空をずっと見上げていたんだ。
ただ見上げてたんじゃない。
泣いてたんだ。
その声を聞いたからなのか、君は隣に座ってくれた。
僕はそれに気づくと君に、僕の秘密を打ち明けたっけ。
そしたら君が
「泣いてもいいよ。」
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