146人が本棚に入れています
本棚に追加
長谷川との話を終えると、理紗は倫太郎の方を向いた。
「よぉ、元気か?」
倫太郎の最初の声に、理紗は頭に手を当て首を振った。
「元気に決まってるじゃない。何で、寂しかった、逢いたかったとか言えないの?」
「いや、こんな人がたくさん居るところじゃ、ちょっと・・」
理紗は意地悪そうに倫太郎を見上げながら言った。
「で、約束は守ってくれるんでしょ?」
倫太郎がとんでもないと首を振る。
「だから、後でいいだろう?」
「だめ、今。日本を救ったヒーロの言うこと聞けないの?」
倫太郎は諦めた様にうな垂れて、そして意を決して理紗を抱きしめた。
「ありがとう、倫太郎。大好き!」
理紗の声は、本当に嬉しそうだった。
FIN
最初のコメントを投稿しよう!