突然のアサイメント

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大林が立ち上がり、理紗はその後に続いた。 その前を、事務局の小山内が先導してくれる。 再び、エレベータに乗り、今度は九階に上がる。 エレベータを降りてドアを開けると、そこは屋上だった。 ヘリコプターがロータを回して待機している。 横に、安曇重工の文字が見える、大型のヘリコプターだった。 大林がヘリの後席に乗り込み、理紗も続いた。 彼女が渡されたヘッドセットを付けシートベルトを締めると、外からドアが閉じられた。 ヘリが首相官邸の屋上から緩やかに離陸する。 遠くにレインボーブリッジが見える。 「どこに行くんですか?」私は聞いた。 「茨城空港。そこで一部の訓練をして、そのまま安曇重工の社有機で種子島に向かってもらう」 理紗はあまりの展開の速さに驚いていた。 (えっー? このまま訓練、そして種子島??) 「あの、両親に話ししないと・・」理紗は倫太郎以外に連絡をしないまま出掛けていた事を思い出していた。 「もう相談しているよ。ご両親も素晴らしい方々だね・・」 理紗は右手を顔に当て頭を左右に振った。 (まったく、あの二人は!!、本当に放任主義なんだから!!) 理紗は口を尖がらせながら、ヘリの窓の外を見た。 眼下には東京都心が広がっている。 (私がこの日本を護るんだ!) 理紗は改めて決意を新たにしていた。 ヘリは左に東京スカイツリーを見ながら、北東に進路を向けた。
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