茨城でのトレーニング

15/18
前へ
/95ページ
次へ
理紗はヘルメットを持って頭から被った。シュミレーターで使ったHMDSに比べてもはるかに軽い。 「声は耳のスピーカから、また貴女の声は中のマイクで拾って外のスピーカで聞けるから」 という和美の声がヘルメット内のスピーカ越しに聞こえる。 「最後に背中に生命維持とMMUが一体になったコントロールボックスを接続するの。これは二十キロくらいあるから、ここでは固定しているあのボックスに背中を合わせて。そうすると自動的に接続するから」 理紗は言われた通り、コントロールボックスに背中から近づいた。 「カチン」という音がしてスーツがボックスに固定される。 そして和美がコントロールボックスを支持フレームから外すと身体の動きが自由になった。 「これで全装備装着完了。普通の宇宙服だったら、重たくて立っていられないわよ。凄いでしょ?」 和美が自負する様に本当に軽量に出来ている。重たいリュックを背負っているくらいの負担しか感じない。 「中の電装品は全て対磁処理をしているから、現在の宇宙でも問題なく動くと思う。設計仕様通りなら・・ね。まあ、ぶっつけ本番だから、性能未達のときは勘弁してね」 理紗は思った。(勘弁って? 宇宙で動かなかったら死んじゃうよ・・まったく・・) 「それじゃ、そのままプールに行くわよ。大丈夫?歩ける?」
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

146人が本棚に入れています
本棚に追加