種子島へ そしてリフトオフ

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種子島が前方に見えてくる。五十マイル手前から降下を開始した。 残念ながら、五マイル以内に接近しないと管制塔からの無線が届かない為、理紗は高度三千フィートで種子島空港をフライパスして、管制塔と交信を行い、着陸に必要な情報を入手した。 使用滑走路は31、QNH(高度計規定値)二八.八八インチ、風は二百五十度から十ノット、雲底五千フィート、視程十キロメートルという連絡だった。 理紗の操縦でJEJは滑走路上空を通過して、右へ百八十度旋回しながら高度を下げている。 ダウンウインドレグで高度千フィート、フラップを十五度に降ろした。 右手に種子島空港を見ながら、ギアを降ろす。 九十度旋回しながら更に高度を下げた。 フラップをフルに。速度百四十ノット。更に九十度旋回する。 ILS(計器着陸システム)は何とか使えるようだ。 グライドパス、ローカライザーともキャプチャーした。PAPI(降下率インジケータ)は白二赤二のオンコースだ。 高度が二百フィートに達する。 「ミニマム」長谷部機長が確認する。 「ランディング」理紗は着陸決心を行った。 電波高度計が高度を自動音声で読み上げてくれる。 「百、八十、五十、三十、二十」 理紗はゆっくりサイドステックを引いた。 主輪が着地する。同時に主翼上のスポイラーが立ち上がる、 理紗はゆっくり前輪を接地させた。
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