種子島へ そしてリフトオフ

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「狩野さん、高橋理紗です。理紗と呼んでください。宜しくお願いします」 狩野が頷く。 「君の為に、新コウノトリに大きく手を加えている。詳細を説明するから、あちらの会議室に入ってくれるかい?」 理紗は「はい」と嬉しそうに応えた。 会議室にはパソコンとプロジェクターが準備されていた。 狩野がパソコンを起動し、投影の準備を始めた。 加奈がその準備と並行して追加の説明してくれる。 「理紗さん、じゃあリマインドするわね。今は、十七時。今日はここで新コウノトリの仕様について説明を受けて、その後に新コウノトリの予備機に設置した簡易シュミレータで宇宙船操縦の訓練をしてもらうわ。そして明日は、太陽光発電ステーションのシステムや構造の講義、爆弾の取り扱い方法等について訓練を受けて、十二時には新コウノトリに搭乗してもらう予定よ。打ち上げは明日の十六時を予定している。今の所、計画通りね」 理紗は大きく頷いた・・ 「まあ普通では考えられないよな。そもそもコウノトリは人間が乗る様に作られていないし、H3ロケットもそうだ。だからその加速は最大で五Gにもなる。スペースシャトルは最大三Gだから、それより大きな加速に耐えなければいけない。元々人間が搭乗する事を想定していないからだ」 狩野がパソコンを操作しながら言った。     
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