種子島へ そしてリフトオフ

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「そうね、貴女を推薦したのは私。でも、その判断は間違ってなかったと今は確信してるわ」 加奈は一気にコーヒーを飲み干すと、「行きましょう」と言って、立ち上がった。 理紗はその後ろに続き、会議室を出て工場の中に入って行った。 新コウノトリの前には、先程と同じ様に数人の人々が集まっていて、狩野が何かを指示している。 理紗と加奈が近づくと、狩野は私達を一瞥して、もう一度その人達に指示を出した。 「OK。それじゃ高橋君の訓練を開始しよう。先ほど確認した手順に従い、みんな頼むぞ」 「はいっ」と言って、その人達が新コウノトリの周りに移動した。 「それじゃ高橋君、こちらへ」 狩野が私を新コウノトリの先頭に連れて行ってくれた。 そこは、丸いドアが付いていて、ドアに登るためのステップが取付けられている。 「ここは、ISS2へのドッキングベイになっている。新コウノトリには、ここしか入口が無いから、このドッキングベイから船内に入ってもらう」 理紗は頷いて狩野に続いた。ステップを登り丸いドアを抜けて船内に入る。 そこは、直径四メートル、長さ六メートルの円筒の空間で中央に座席が取付けられ、座席の下に先程説明を受けた、制御ボックスが収納されているのが見える。 また、座席の左右の肘掛から伸びたアームにノートパソコンが二セット取付けられている。
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