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百里基地スクランブル待機室
山本真理一等空尉と大島加奈三等空尉は百里基地でスクランブル待機に就いていた。
太陽フレアの影響で防衛レーダが全く機能しないためスクランブルの頻度は激減していたが、二人の乗るF35にはレーザー通信の設備も搭載し、上空でも通信が可能な仕様にアップグレードしていた。
「今日も、このまま終わりそうですね」
加奈が呟く。スクランブル待機の終了時間まであと一時間だった。
「そうだね。まあ楽でいいじゃないか・・」
リラックスチェアに座り雑誌を読みながら真理が応えた。
その時、唐突に真っ赤な『SC』の警告灯が点滅すると、大音量の警告音が流れる。
そして「スクランブル!」の声が轟く。
真理は待機ルームのリラックスチェアから飛び降りた。
同時に加奈も飛び起きて二人で駆け出す。
加奈が部屋の先にある防音扉を押し開け、格納庫に飛び込んだ。真理もそれに続く。
そこには青いF35BーJが二機並んでいた。
搭乗用の梯子を駆け上がりコックピットのシートに納まる。
整備員がショルダーハーネスやGスーツのエア接続をサポートしてくれる。
真理はヘッドマウントディスプレイシステム(HMDS)が搭載されたヘルメットをかぶった。
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