最終章 大気圏突入、地球へ

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左手を上げて前方の整備員にエンジン始動の合図を送り、コックピット二面スクリーンの右下にあるエンジンスタートボタンを押した。 エンジン始動モータが廻り、P&F F135エンジンが始動した。 キーンという音が高まる。 同時にサポートしてくれていた整備員が「ご武運を」と言いながら、コックピットの梯子を駆け下り梯子が外された。 真理が横を見ると加奈の機体も梯子が外された所だった。 「エンジェルフライト、チェックイン。どうか?」 「エンジェル2、OKです」 加奈が応える 真理は頷くとタワーを呼び出した。 「百里タワー、エンジェルフライト。スクランブルです」 真理はHMDSに表示されたエンジンの数値、その他の警告灯の確認をする。 「リクエスト、イミデート テイクオフ」 すぐに、返信が聞こえる。 「エンジェルフライト、百里タワー。タクシー・トウ・ランナウェイ〇三R」 「タクシー・トウ・ランナウェイ〇三R。エンジェルフライト」 HMDSに表示されるアフタースタートチェックリスト自動チェックを目で追った。 そして両手を挙げて、親指を外側へ向ける。
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