最終章 大気圏突入、地球へ

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太平洋上F35コックピット 真理はHMDSのガイダンスを読んでいた。 この任務がホープ2への使用滑走路変更の連絡とエスコートにある事は理解出来た。 ホープ2が太平洋上で減速旋回を行う時間の五分前に、真理と加奈のF35はアフターバーナを焚いて高度六万フィートに駆け上がった。そしてその位置で待機旋回を始め、ホープ2が軌道から降りてくるのを待っていた。 「あれか・・」 北西の高高度から何かがこちらに向かって来る。 そして上空で、旋回を開始し徐々に高度を落としている。 真理は気付いた。 (少しレーザリンクの指示位置とズレている。ここからでは無線が届かない) 真理は加奈に言った。 「エンジェル2。ここでは無線が届かないから少し位置を変える。アフターバーナを使うぞ」 「2、了解」 真理はスラストレバーを押し込み、アフターバーナを点火した。 ドンという音がしてF35が急激に加速していく。 右に旋回しながらホープ2の降下経路に向った。速度はマッハ一.八に達する。 「こちらエンジェルリーダ。ホープ2聞こえるか?」 応答は無い。まだ通信可能圏外だ。ホープ2は急激に高度を落としている。 (まずい) 「こちらエンジェルリーダ、ホープ2聞こえるか?」 早く使用滑走路の変更を伝えないと、ホープ2の修正が不可能になってしまう。 真理は焦っていた。
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