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ホープ2コックピット
理紗は高度二十キロ(六万フィート)からの羽田空港に向けた滑空に入った。
減速旋回から機体を水平に戻し、ピッチを下に二十五度下げた。
その時、突然、理紗の耳に声が聞こえて来た。
「ホープ2。こちらエンジェルリーダ聞こえるか?」
理紗はまだ無線の到達範囲外なのに何故と思いながら応える。
「エンジェルリーダこちらホープ2です聞こえます」
「やっと届いた! ホープ2、緊急事態だ。羽田の使用滑走路が変更になっている。貴機は滑走路三四Rに向かっているが横風制限から二三へ変更されている」
理紗は驚いた。既に高度は四万フィートを切っている。
「了解です。でもホープ2には滑走路二三へのガイドルートを設定していないので、着陸アプローチが出来ません。もう三四Rに降りるしか無いと思います」
理紗は言った。
「大丈夫だ・・」
その声と共に、滑空降下しているホープ2の横に青色の戦闘機が並ぶ。
「滑空の降下率はいくつだ?」
「毎分八千フィートです。これ以下では失速します」
「了解。それじゃ、その降下率を守って羽田の滑走路二三へのエスコートをする。私の機体をフォローしてくれ」
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