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理紗は感嘆していた。既に亜音速まで減速しているとは言え、軌道から降りて来たこのホープ2を見つけて、エスコートコースに入るなんて・・
(どんな人が操縦しているんだろう・・?)
「分かりました。エンジェルリーダ。サポート感謝します。羽田までのエスコートをお願いします」
F35はホープ2の左前五十メートルに遷移して、ゆっくり右旋回に入った。
一旦、三四Rの着陸コースから離れて、二三への着陸コースに乗らなければならない。
高度一万五千フィートで雲の上層に入った。少し揺れる。
エンジェルリーダは衝突防止灯を点灯しており、雲中でも何とかF35をフォローすることが出来た。
ゆっくり左に旋回が始まる。四千フィートを切った所で雲の下に出た。
そこは東京湾の上空だった。
前方に羽田空港、その右に東京タワーや新宿副都心が見える。
「帰って来た!!」
理紗は叫んだ。
しかしエンジェルリーダの機体が上方に逃げていく。ホープ2はそれをフォローできなかった。
「どうした。その降下率では滑走路に辿りつかないぞ」
理紗は降下率が毎分九千五百フィートになっているのに気付いた。
「エンジェルリーダ、多分、海上の風の影響と思います。その降下率はフォローできません。このままでは二三に届きません」
「なに!?」
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