最終章 大気圏突入、地球へ

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速度は時速四百八十キロ、高度は三千フィートを切っていた。理紗の目測でも滑走路には届かない様に見える。 理紗は考えた。このままでは滑走路手前の海に墜落してしまう。 「そうか」 理紗は推力(スラスター)ボタンを押した。 本来は軌道上のみで使うものだが・・「大気圏内でも推力が出るはずだ」 後部の二機のロケットエンジンが点火され、少しだけ機体が加速する。それに合わせサイドステックを少し引く。 降下率は毎分五千五百メートルに低下した。 「これで何とか届くか・・」 十秒だけでスラスターを稼働させると、高度二千フィートでF35がエスコートする降下コースに戻ることが出来た。 F35の先に滑走路二三の先端が見える。 「エンジェルリーダありがとうございます。もう大丈夫です。ここまでのエスコートを感謝します」 理紗は無線に言った。 「分かった。それじゃホープ2、高橋理紗君、成功を祈っている」 F35が上方にブレークした。 高度千フィート 「ギアダウン、そして、フレア開始」 理紗は着陸ギアを降ろしながら機体を引き起こした。 急激に降下率と速度が低下していく。 少し右からの風に煽られる。ラダーペダルで滑走路の中心線を維持する。 電波高度計からの自動音声読み上げが始まる。 「二百、百」 滑走路接地直前の速度は、三百六十キロで安定した。 「五十、二十、タッチダウン」
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