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滑走路の端から三百メートルほどの場所にホープ2は激しく接地した。
一旦、主車輪が滑走路を離れもう一度接地する。
理紗はサイドステックを前に押し前輪を接地させる。
物凄い勢いで地面が後ろへ流れていく。
エアスポイラーを一杯に展開する。
ドラックシュートのパラシュートを展開する。
ラダーペダルで滑走路の真ん中を維持しながら主輪のブレーキを思いっきり掛ける。
「速度二百五十キロ、二百キロ、百五十、これじゃ滑走路上で止まれない」
物凄い勢いで滑走路の端末が近づいてくる。
「ダメだ!!」
ホープ2は滑走路の端末を超えて、オーバーラン防止用のエリアに入った。
三百メートル先は海だ。
「百キロ、八十キロ、止まれ!!」
不意に、ホープ2の前方で大きなネットが立ち上がった。
そこにホープ2時速五十キロで突入した。
急激に減速される。
そして、滑走路がある人工島の端から僅か二十メートルの場所で、ホープ2は停止した。
午前五時二十三分だった。
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