例えばこんな一日?

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―???side― 「まだ、かなぁ…?」 いつもの時間が近付いてきて、自然と顔が綻ぶ。 とても穏やかな気持ちになれるんだ。 彼はいつも十時きっかりに電話をかけてくれる。 黒や白でモノトーン気味に整頓された広い部屋の、濃いグレーの天蓋付きベッド。 少年とも青年とも取れる年齢の綺麗な顔立ちをした男がそこにいた。彼は無邪気に、待ちきれずにベッドをゴロゴロと転がる。 ―――ブーブー マナーモードに設定していたスマホが突然振動し、着信を告げる。 「ふふっ、やっとかかってきた」 誰からかも確認せず、携帯をとる。自分に、しかもプライベート用の携帯に連絡を寄越す相手など限られているのだから。 『もしもし犀都(せと)?元気だなー…。今日は何かあった?』 苦笑気味の相手。その姿が頭の中に思い浮かぶ。 ただ声が聞けただけで嬉しい。 「何もないよ、ただ鴣都と話せたのが嬉しいだけ」 そう言ってて自分の口の端が緩むのが分かった。 「鴣都の方は何もなかったの?」 そう訊くと何もない、という返答が返ってきた。
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