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モテナイ君の野望2
「君は、柔道の特待生かな?」
教授は、にこやかに話し掛けてきた。
「あの、貴女は?」
市蔵が、ドギマギしながら、聞き返す。
「あ、コレは失礼。私は、此の大学の教授、人間行動学既知感覚研究学部教授、下野毛章子。」
「えっ?教授?」
保鉄名市蔵は、ビックリした。
そうだろう、てっきり上級生の女学生、と思っていた。ところが教授である。
しかも、飛び切りの美人。
女の人と、付き合ったことのない市蔵は、緊張を通り越して、ボウっとなってしまっていた。
「今ちょっと、時間あるかしら?」
下野毛章子は、ちょっと雰囲気のある笑顔で、そう聞いてきた。
「あ、いや、何の予定も有りません。」
「あら、良かった。ちょっと付き合って下さらない?」
市蔵は、ボウっとしながらも、上ずった声で、返事をした。
その返事が妙にツボったのか、下野毛章子はクスクス笑いながら、
「あ、ゴメンなさい、ちょっと其処まで着いてきて?」
そう言って、市蔵を研究棟まで案内した。
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