第1章 運命の出逢い?

1/1

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ

第1章 運命の出逢い?

常磐南体育大学。 通称、常南体大。 さらに約して、ナンタイと呼ばれていた。 ナンタイは、正門を入ると大きく広場を取っていて、その奥に本校舎がある。 本校舎を中心に、右側が研究棟。左側が運動部室。その奥に室内競技の総合体育館がある。 保鉄名市蔵(モテナイチゾウ)が、下野毛章子の案内で、研究棟に入っていく。 其処は自分とは、永遠に関係のない処だなって、その時思った。 整然と並ぶ、○○研究室と札が張られたドア。廊下には、無駄な物は何一つ置かれてはいない。 下野毛章子はその廊下の、一番奥のドアを開いて、市蔵を招き入れた。 その部屋には、数脚の机と椅子、色々な実験機具。何か使用目的がわからない電子機器。 後、目を引いたのが、ショーケースに入った木とか草を干した物、得たいの知れない動物の木乃伊。 「あ、それ?気味が悪いでしょ?」 下野毛章子が、マジマジとショーケースを見ている市蔵に、声をかけた。 「あ、いえ。」 「さ、そこに座って。」 下野毛章子は、部屋の奥の椅子を勧めた。 その椅子に座って、市蔵は気が楽になっているのに気がついた。 さっきまで、緊張を通り越して、ボウっとしていたのに、今はアチコチ見渡せる、余裕も出てる。 「ちょっと、質問に答えてもらっても、良いかしら?」 下野毛章子は、バインダーに挟んだ冊子を取り出して、市蔵の目の前に座った。相変わらず、意味ありげな笑みを口元に浮かべていた。 「先ずは、名前と学部、あ、此はさっき聞いたわね?もてなって、漢字でどう書くの?」 下野毛章子の質問に、 「え~とですね‥‥‥。」 市蔵は、差し出された紙に、名前を書き入れた。 「クックッ、ククク、‥‥‥。」 下野毛章子は、噛み殺し切れなかった、笑いを漏らした。 「あ、ゴメンなさい。」 「いえ、慣れてますから。」 「さっきも感じたけど、すごい名前ね。」 下野毛章子は、一頻り笑って気がすんだのか、少し真面目ぶって、色々と質問をしてきた。 特に、食生活に着いての質問が多かった。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加