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「あ、左にいきすぎです」
「どう?」
「その調子です。でも、夏の風物詩で片づけるには無理がありませんか?」
「確かにね。わざわざスイカを棒で叩き割って食べるなんて非効率だし」
「そうですよ。あと果肉が飛び散りますし、おいしさが半減しちゃうと思うんですよ」
「ま、そこは遊びなんだから、楽しさでカバーすればいいのよ」
「僕は楽しさとかいいんで普通に切って食べたい派です。あ、前に出すぎですよ」
「もう少しバックすればいいの?」
「はい。そうしたらうまく入りますよ。で、話のつづきですが、スイカ割りをする人は、スイカに恨みでもあるんですかねー?」
「ん? どうして?」
「だって、スイカを棒で叩き割ろうなんて思いつきます? しかも目隠しをしてですよ」
「……私、巨乳に恨みがあるの」
「は? どうしたんですか? いきなり」
「特に夏のビーチで弾けんばかりに揺れる胸なんて見た日には、己のつるぺた加減に絶句したものよ。おまけに、気づいたら口ずさんでいたわ。たわわ、たわわ、って。以来、ビーチに行くことはなくなったの」
「それとスイカ割りにどんな関係があるんですか?」
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