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五日間の業務を終え、19時ジャストで退勤してから最寄りの駅ビルへ向かう。
「何かお探しですか?」
「贈り物ですか?」
テンプレートな接客ワードを少しの笑みといいえの一言でやり過ごしながら、レストラン街を除く全てのフロアを冷やかし終える。
腕時計をちらと見ると二時間も経っていない。
こうなると休みの前日は時間がいくらでもあるんじゃないかと錯覚してしまうではないか。
このまま家に帰るのは勿体無い。
やっぱり、会いに行こう。
彼の驚く顔を期待してサプライズを決行する。
乗り込んだ電車はいつもと反対回り。
彼の勤めるビルの前には24時間営業のファストフード店がある。そこで待ち伏せをして、会社から出てきた彼に声を掛けて驚かせてやろう。
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