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「柳田くんも次長が帯同してくれたら、嬉しいんじゃね?」
「でも…いいんですか?」
「声、掛けて下さい。出来る範囲で手伝いますよ。」
にこっと笑いかける。
なぜ、柳田が真っ赤に?
「うわ…、ぜひ、お願いします!」
「久しぶりに見たなー。人たらし、健在だよなー。」
ホント、この人にだけは言われたくないし。
「成嶋さんこそ、新婚生活、どうなんですか?」
「うーん、家帰ると電気ついてて、冬とかは部屋がほわっと暖かくて、てのはいいかなー。オレは外食多いからあんま家でメシ食わないけど、帰りが遅すぎる時はテーブルにおにぎりとかあると、結構嬉しい。」
ったく、この人はぬけぬけと。
そう言えば、目の前で振られたのだった。
ちらりと見ると、成嶋は人の悪そうな笑みを浮かべている。
わざとか…。こーゆー人だったよ。
「でも、榊原次長も今日、信託の小笠原さんと仲良さそうでしたよね。」
柳田…。口が軽い。こいつ、再教育が必要だな。
「えー?何なに?柳田くん、それ、聞こうか?」
成嶋の目がきらきらしている。
「信託銀行に小笠原さんて、すっごく可愛い人がいるんですよ。もう、大和撫子?その人と、榊原次長すごく親しげにお話されてたんですよね。」
ったく…この口か!!
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