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「お前みたいなガキに、心配されるよーな稼ぎじゃねーよ。大丈夫、榊原にはちゃんともらうから。
今度のセミナー、よろしくな。」
ありがとうございます、と柳田はペコペコしながら帰って行った。
「お前は、もう1軒付き合うよな?」
はいはい、そんな気はしました。
2軒目は、裏通りのバーだった。
ジャズが流れていて、静かにグラスを傾けるような店。
その、引き出しの幅の広さに驚く。
その、ほの暗い店の、端のテーブルを成嶋が笑顔で指差すと、どうぞ、とカウンターのバーテンダーに手で示される。
「いろいろ、知ってますね。」
「まあ、付き合い多くて。」
いらっしゃいませ、と密やかにオーダーを取りに来たウエイターに、成嶋はバーボン、ロックで、銘柄はお勧めで、と頼んでいるのが見えた。
同じのでいいよ、と榊原も伝える。
改めて、乾杯、とグラスを軽く合わせる。
そもそも、ぐいぐい飲む種類の酒ではないので、軽く口をつけた。
うん。美味しいな。鼻から抜けるアルコールの感じがとても良い。
「榊原ってさ、どこにいても絵になるな。」
いや、そっくり、その言葉返したい。
「成嶋さんは、どこでも物怖じしませんよね。」
「それはオレの特性。」
さて、と成嶋が居住まいを正す。
来るな、と思った。
「小笠原家はオレでも知ってる。うちの客だろ。」
「みたいですね。」
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