3.成嶋部長、登場!

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「お前みたいなガキに、心配されるよーな稼ぎじゃねーよ。大丈夫、榊原にはちゃんともらうから。 今度のセミナー、よろしくな。」 ありがとうございます、と柳田はペコペコしながら帰って行った。 「お前は、もう1軒付き合うよな?」 はいはい、そんな気はしました。 2軒目は、裏通りのバーだった。 ジャズが流れていて、静かにグラスを傾けるような店。 その、引き出しの幅の広さに驚く。 その、ほの暗い店の、端のテーブルを成嶋が笑顔で指差すと、どうぞ、とカウンターのバーテンダーに手で示される。 「いろいろ、知ってますね。」 「まあ、付き合い多くて。」 いらっしゃいませ、と密やかにオーダーを取りに来たウエイターに、成嶋はバーボン、ロックで、銘柄はお勧めで、と頼んでいるのが見えた。 同じのでいいよ、と榊原も伝える。 改めて、乾杯、とグラスを軽く合わせる。 そもそも、ぐいぐい飲む種類の酒ではないので、軽く口をつけた。 うん。美味しいな。鼻から抜けるアルコールの感じがとても良い。 「榊原ってさ、どこにいても絵になるな。」 いや、そっくり、その言葉返したい。 「成嶋さんは、どこでも物怖じしませんよね。」 「それはオレの特性。」 さて、と成嶋が居住まいを正す。 来るな、と思った。 「小笠原家はオレでも知ってる。うちの客だろ。」 「みたいですね。」     
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