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4.使い途を発見した!
時間より、早めに到着してしまうのは営業マンの性だと貴志は思う。
逆に待たせることは考えない。
待つことも、苦痛ではない。
待ち合わせより、かなり早い時間に到着した貴志は、スマホで市場動向をチェックする。
一応、毎日、経済新聞には目を通しているが、それは本当に目を通しているだけで、営業をしていた頃の感覚とは全く違う。
それでいい、と思っていたが、帯同することを考えると、もう少し現場感覚を取り戻したい。
何とはなしに、スマホで見始めた、経済誌の特集が面白くて夢中になっていた。スマホが5分前のリマインドを知らせる。
待ち合わせの時間だ。
これも営業時代からの習慣である。
胸ポケットに携帯をしまうと、小走りで走ってくる真奈の姿が目に入った。
今日はパウダーブルーのワンピース姿だ。
膝丈のフレアスカートがとても可愛い、が。
あんな、ヒールで…。
「真奈!走んないで。危ないから。」
思わず、貴志も駆け寄った。
ふわっと胸に受け止める。
貴志の腕の中で真奈は息を整えている。
「は…、ごめんなさい…、お待たせ…して…」
「時間には間に合ってるんだから、そんなに急がなくて大丈夫だよ。」
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