4.使い途を発見した!

2/13
前へ
/154ページ
次へ
「でも、姿が見えたので、待たせてしまったら、申し訳ないと…。」 それでも、女性とは悠々来るものかと思っていた。 申し訳ないと言われて、こんなに一生懸命になってくれた女性はいない。 貴志は、真奈にふっと微笑みかけた。 「僕は真奈がケガしたりしたら、困る。遅れてもいいんだよ。連絡さえくれたら。」 「そう…なんですね。」 真奈は首を傾げている。 うーん。本当に箱入りらしい。 「ワンピース、可愛いね。」 「お食事、とおっしゃってたので。」 やはり、顔を赤くして俯いてしまう。 「真奈。」 「はい…」 真奈がちらりと貴志の顔を見た。 分かってはいるんだな、と思う。 「慣れてね?」 「は…い。」 しかし、その上目遣いは逆効果かも。 自分が飛び抜けて可愛らしい容姿だと分かっているんだろうか。 自覚がないとしたら、怖すぎる。 でも、自覚はない気がする。 「グランドホテル、知ってるかな?そこのダイニングを予約してるから。」 そう言うと真奈はホッとした、様子になった。 「分かります。」 2人でホテルに向かって歩き出す。 真奈は何か言いたげだ。 「どうかしたの?」 「あ、いえ。この前お店に来られてたので、びっくりしてしまって。」     
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7480人が本棚に入れています
本棚に追加