7481人が本棚に入れています
本棚に追加
「嘘つきです。お話しするだけって言ったのに。」
そんな目を潤ませて、頬をピンクにして怒られても、なあ…。
「嫌がることは絶対、しない。」
「…っ、ずるいですっ。」
「初めて?」
「…う」
こくっと真奈が頷く。
「キスも?」
想像はついても、あえて聞きたい。
「は…い。」
うん。満足だ。
「気持ち良くない?」
ピンクに染まっている頬をさらりと撫でる。
「あ…恥ずかし、いです…。」
「ん。」
そっと胸に触れてみる。
「やん…っ。」
と可愛い声が耳をくすぐった。
真奈がとっさに口元に手を当てたので、かえって手が胸に押し付けられる形となった。
「本当だ。ドキドキしてるね。」
意外とあるかも、とは思うが口にはしない。
「ねぇ?真奈は僕のことどう思ってるの。」
「好きです…。」
「顔が?」
「それだけじゃ、ないです!」
ぎゅうっと抱き着かれた。これは予想外だった。
「優しいところも、可愛いって言ってくださるところも、あと、顔見たい、なんて。一緒にいてドキドキしますけど。でも、私、頑張りますから。ちゃんと、お話しも出来るようになります!だから、嫌いにならないで…」
「ちょ、待って。何でそんな話に。」
突然そんなことを言い出した、真奈に、さすがの貴志も慌てた。
最初のコメントを投稿しよう!