4.使い途を発見した!

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銀行に就職したころ、自分の整いすぎた顔立ちが、いろいろ誤解を生むことに気付いたからだ。 同性にはやっかみ。異性には標的。 むしろ、同性のやっかみの方が面倒だった。 どれだけ理を尽くしても、ま、アイツは顔で売れるから、で終わらせられる。 上司すら、そのように見ていた節があって、表立って何か言われることはなかったが、まともに仕事をもらえなかった時期もあったのだ。 かと言って、銀行員として、不衛生な髪型も出来ない。 素顔を隠す方法のひとつが眼鏡だった。 パソコンに向かいすぎて少しだけ、近視になったことも理由ではあるが、いちばんの目的は顔を晒さないことだ。 「どうなっても、知らないよ?」 貴志は真奈をベッドに押し倒し、その上になる。 足の間に膝を入れ、潰さないよう腕で身体を支えて、頬を撫でた。真奈はちゃんと貴志を見ている。 頑張るなぁ。 「真奈、唇噛み締めないで。」 「だって…」 「キスも出来ないでしょ。やっぱり、止める?」 「止めないで下さい!」 「ほら、キスさせて?」 本来なら面倒だと思うこんなやり取りすら、真奈相手なら許せてしまう。 キスしたら、真奈が幸せそうな顔になったし。 今度は深いキスをしてみる。深く舌を絡めて舐めて、味わう。 柔らかい舌の感触が心地いい。時折漏れる、真奈の吐息も。 「はっ…ん…」     
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