番外1:真奈ちゃんの初恋

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「謝る必要はないんですよ。僕も充分理解して、来ていますから。それより、せっかくですから、お食事頂きませんか?」 「はい。」 確かにそうだ。せっかくなのだから、ご用意されたお食事はいただこう。 例え、このお見合いを断るにしても。 食事中も気詰まりにならないように、何くれとなく榊原がいろいろ話してくれた。 お仕事は忙しいんですか、と問われ、 「そうですね。でも、きっと榊原さん程ではないと思います。」 つい、淡々と答えてしまった。 「どうして?」 それを榊原にくすっと笑われる。 どうして。って…。 榊原は商業銀行の大きな支店の次長だ。 課長を束ねる立場にあると聞いている。 商業銀行は信託銀行とは比べ物にならないくらい、忙しいと聞いた。 「なんか、イメージなんですけど…」 「商銀は忙しそう?」 「あのっ、イメージです!」 図星を刺され、頬が赤くなるのが分かった。 またも、榊原にふふっと、微笑みかけられる。 この人、なんでこんなに妖艶なの? 「真奈さん、お食事の後、予定はありますか?」 「いえ…。」 「では、少しだけ散歩しませんか?ここの庭はガーデニングがとても綺麗なんです。」 そうして、真奈の好みの顔で笑まれてしまっては断ることなど出来ない。 今日だけは、いいでしょうか。 あと、少しだけ。     
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