番外1:真奈ちゃんの初恋

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「はい。真奈…でいいかな?」 真奈はこくっと頷く。 「真奈は、僕のこと嫌い?」 少し、トーンを落とした榊原にそう尋ねられ、真奈は慌てた。 「え!そんな訳ないです。」 「じゃ、どうして俯いちゃうの?」 「だって…、貴志さん、すごく、素敵だから。」 嘘みたい…。断らなきゃって、思っていた。 望まない、お見合いだったのだと。 嫌いな訳がない。 「真奈…こっち見て。」 両手で頬を包み込まれ、しっかりと目線が合う。 どうしよう。素敵過ぎる。 真奈は真っ赤になってしまった。 本当にいいの?泣きそうだ。 「どうしたの?」 「どうしていいのか、分からないんです。」 「大丈夫。真奈は僕の顔、好きなの?」 そう問われて、真奈は素直にこくりと頷いた。 「可愛い、真奈。僕も真奈の顔可愛くて好き。今日話してみて、話しているとこも食事してるとこも、仕種も、全部可愛いって思った。」 「でも、私人見知りですし、今日も上手く話せなくて…っ」 「そんなの、全然平気。」 本当に平気のようで、むしろ嬉しそうににっこり微笑まれた。 「真奈。」 優しい声で名前を呼ばれて、きゅっと抱きしめられる。 すごく、すごくどきどきする。 でも、好きな人と触れ合えるのは、なんて幸せなんだろうか。     
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