番外1:真奈ちゃんの初恋

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「正式にお願いする。結婚を前提に僕と付き合って下さい。」 「はい。」 お見合いなのは、分かっていたけれど、お断りしようと思っていた。 でなくても断られる、と思っていた。 それがとても、素敵な素敵な人が現れて、結婚を前提にお付き合いして下さいなんて、言われるなんて、思ってもみなかった。 すごく、幸せ…。 ぴんとはこないけれど。 その時、ふと、あごを持ち上げられ。 榊原の端正な顔がどんどん近づいてきて、ふわっと唇が重なった。 え?キスされたのでしょうか…? 「ん?」 「いえ、あの…初めてだったので…。」 どうしよう。恥ずかしい、けど嬉しい。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 閉店後、真奈の席に会社の女性達が群がってくる。 昼間の営業時間帯に、なんと、貴志が顔を出したのだ。 日中、電話を取って顔を上げふと、視線を感じた気がしたのでそちらを見たら、榊原がいたので、真奈は驚いた。 打ち合わせと言っていたが、周りの視線を浴びてもびくともしていなかった。 惚れ直してしまう。 素敵だった...貴志さん... 「小笠原さん、さっきの方、お知り合い?」 「はい。」 「素敵な人ねー。」 分かります。     
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