番外1:真奈ちゃんの初恋

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「はい。」 「彼氏なの?」 「あの...彼、なんでしょうか。お見合いのお相手なんですけど。」 きゃーと盛り上がっている。 「お、お見合い!?」 「もちろんOKするんでしょ。」 「はい。お話し進めましょう、と言って下さっていて。」 「あんなに素敵なら、心配よねー。」 「心配?」 「絶対モテるでしょ。」 「うんうん!モテそうよね!だし、経験豊富そうだし、優しそう。いいなー、小笠原さん。」 け...けいけんほうふ?え?!えー?! 「確かに、そうですよね…。」 どうしよう?そんなこと考えてなかった。 でも、小笠原さんのこと、あんなに大好きって雰囲気だったら、大丈夫よー!と同僚達は言っていたのだが、真奈の耳には完全に入っていなかった。 こんな、未体験の私で大丈夫でしょうか...。 「小笠原さん、ちょっといいかな?」 真奈の担当の営業が話しかけてきたので、同僚達もまた、聞かせてね、と散開する。 「さっきの人って…、商銀の次長だよね。知り合い?」 「はい。」 何故だろう、信託銀行所属の人が商銀、という時に微妙な響きが混じる気がするのは。 同僚には、どこまで話していいんだろうか…。 同僚、というか、担当の営業なのだが。 「支店で顔を見たことがあるよ。あの若さで次長なんだってね。異動されてきた時は、女子行員が相当ザワついたみたいだね。」     
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