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6.風呂上がりはコーヒー牛乳だよね
海を一望出来るその場所は、真奈も気に入ったようだった。
「すごーい。いい景色ですね!」
「ホントだな。」
こんな場所に家を持っていたとは、全く知らなかった。
真っ白いデザイナーズハウス風のその家は、なかなかにオシャレだ。
表札も金物細工で、こだわりを感じさせる。
外には既に車が何台か置いてあり、もうすでに、来客があるらしい。
しかし、驚くほど高級車ばかりだ。
ピンポーンと呼び鈴を鳴らすと、『はあい』と返事があり、『あ、榊原さん、今行きますねー。』と葵の声だ。
ドアが開けられ、中から顔を出したのは、葵と成嶋。
「おーっ、いらっしゃーい!そっちがお嫁さん?何だよ!やっぱりむっちゃ可愛いなー。お人形さんみたいだ。こんにちは!オレ、元同僚で、成嶋っていいます。こっちはうちの嫁さん、葵。」
「こんにちは。」
こうして見ると、ちゃんと夫婦に見えるものなんだな。
2人で客を迎える様子が微笑ましくて、いいな、と感じる。
貴志も、真奈を紹介した。
「真奈、こちらが成嶋さんだよ。成嶋さん、彼女が僕の婚約者の小笠原真奈さんです。」
「はじめまして。小笠原真奈と申します。」
2人に対して、すっと頭を下げた真奈の姿に品を感じて、嬉しくなる。
「はー、さすが、榊原の嫁さんだよなー。」
「ホントー、品ありますよねぇ。ガラスケースにでも入れておきたい感じです。」
無条件に褒められた真奈は、そんなことないです。と照れている。
まあまあ、どうぞ、入って入って、と2人に招き入れられた。
部屋の中もスッキリしていて、シンプルなところに2人の趣味を感じた。
何より驚いたのは、吹き抜けた部屋の正面のガラスだ。
「この造り、よく日本で出来ましたね。」
「建築法はちゃんと通ってるぞ。建築士も来てるし、聞いてみろよ。うちの建築士面白い案、いろいろ持ってるし。今度組んでいろいろやる予定だから。何かあったら使ってやってくれ。」
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