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最上階のラウンジはレストランと比べると小さい造りながら、席の幅はかなり広めに取ってある。
椅子も柔らか過ぎず、硬すぎないソファだ。
2人に配慮して窓側の横並びの席を案内された。
ライトはかなり暗めのため、外の景色を楽しめるようだ。
真奈は軽めのカクテル、榊原はウイスキーのロックを注文する。
乾杯、と軽くグラスを合わせた。
「うん。美味い。」
それは案内してくれたホールスタッフに控え目に勧められたもので、苦手でなければ是非、と言われたものだったからだ。
思わず、漏れた一言だが真奈がじっと見ている。
「ん?どうした?」
「いえ…あの、お酒飲む姿が素敵だなぁって。」
貴志は、ふっと笑う。
「普通だよ。」
「そんなことないです。グラス持ってる指がキレイだな、とか、少しだけ頂く様子とか品があって、素敵だな、とか。いろいろ思うんです。」
「真奈、まだ酔ってはいないよね?」
「酔ってはいません。」
「僕も居酒屋なら、とりあえず、生中とか、言うかもよ。風呂上がりにコーヒー牛乳一気飲みするかも知れないし?」
ちょっとからかいたくなって、そう言ってみたのだが。
「貴志さんなら、そんな姿も見てみたいです。」
真面目な顔でそう返された。
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