7481人が本棚に入れています
本棚に追加
/154ページ
正直、昔の自分を見ているかのような折り目正しさだ。
眼鏡は本当に度が入っているようだが、生真面目が服着ているような感じ。
「はじめまして。今日はよろしくお願いします。榊原と申します。」
「頂戴します。」
寺崎は落ち着いた態度で、両手で名刺を受け取る。
横で成嶋がくすくす笑っていた。
「うんうん。由緒正しきサラリーマンの名刺交換終わった?」
「はい。最初が肝心と成嶋部長が、おっしゃっていたので。」
真顔だ。
「いや、いいよ。忍ちゃん、最高だな。」
成嶋が笑いを堪えている。
「榊原、柳田くんとか紹介していい?これから、寺崎もオレと一緒に動いたり、スケジュールの調整とかしてもらう予定だから、面識作っておきたくて。」
「ああ、もちろんですよ。葵さんは?」
「初対面だな。」
その返事を聞いて、榊原は柳田と葵に声を掛けた。
「柳田くん、葵さん、すみません。」
はいっ!と2人がいい返事をして、榊原のデスク脇までやってくる。
2人とも名刺入れと、メモを手にしているところは、さすがだ。
「成嶋部長、は当然知ってるよな。部下の寺崎さん。」
寺崎は先程と同じように折り目正しく、挨拶し、2人と名刺交換している。
「寺崎、忍さん…」
「はい。成嶋葵さんですね。本日はよろしくお願い致します。」
最初のコメントを投稿しよう!