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会議室に行くと既にいろいろと設営してあった。
会議室までの道筋の案内、ポスター。
テーブルは定規で測ったかのように真っ直ぐ並んでいて、飲物、ボールペン、 ラインマーカーがセットして置かれている。
受付用のテーブルまで、セッティングが済んでいた。
「あ、成嶋部長、資料の確認と、式次第、見ていただいていいですか?よろしければ、これでコピーしま す。」
と、寺崎がノートパソコンを持ってくる。
「時間割も大丈夫だな?」
「はい。配分は再度よく確認していただいていいですか?あと、資料も間違いないか、確認して下さい。」
「うん。いいよ。よく出来てる。支店長には挨拶はお願いしてあるか?」
「メールではご依頼してありますが、今日はまだです。」
「ん、分かった。じゃ、オレから再度依頼しておくよ。こっちは任せていいか?」
「はい。」
「じゃ、支店長に挨拶行くか、榊原、案内よろしく。」
「優秀ですね。」
感心して、榊原がそうつぶやく。
「と、思うだろ?あいつ、本社で放置されてたんだぜ。」
「え?!」
「暗くて、コミュ障とか言われて。でも、なんか、絶対違う気ぃしてさ、使ってみたらあの通りさ。確かにちょっと神経細かいとこはあんだけど、オレが大雑把だから、逆にすげー助かってる。」
淡々とはしてるけど、人見知りでもないみたいだし、と支店長室に向かう道すがら、そんなことを話してくれた。
まだまだこの人には及ばないな、と思うのはこういう時だ。
支店長室の前に立つと、既に信託の担当者が挨拶に来ている様子だ。
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